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宗像 雅広; 木村 英雄; 田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 小川 弘道
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.361 - 367, 2003/09
中国輻射防護研究院で実施された実験データを用いて、浅地中処分安全評価コードシステムGSA-GCLの妥当性検証を実施した。野外環境調査,人工バリア試験,通気層試験,帯水層試験で得られた核種移行評価用パラメータを選定し、多孔質媒体中地下水流・核種移行モデルによる解析結果を実験結果と比較した。解析結果は実験結果と概ね一致しており、地層中核種移行現象を合理的に説明できた。
森 康二*; 根山 敦史*; 中川 浩一*
JNC TJ8400 2000-064, 175 Pages, 2000/03
本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに於けるニアフィールドの耐震安定性の評価を目的として、以下の検討を実施したものである。(1)解析コードの妥当性の検証 本研究で開発してきた三次元有効応力解析コードは、とくに間隙水圧を考慮しない1相系解析機能に対しては、振動実験等による実測データとの比較を通じて検証を行ってきた。本年度は、サイクル機構で別途実施した緩衝材の液状化試験データを用い、間隙水圧の挙動に着目した有効応力解析機能の検証を行った。(2)2000年レポートに対する補足解析 2000年レポートでは代表的な処分場デザインのオプションを念頭に置いたニアフィールド地震応答解析および評価を行い、人工バリアシステムの耐震安定性を確保できる見通しを得ることができた。その一方で、オーバーパック-緩衝材間や緩衝材-岩盤間等の材料不連続面の応答を規定するモデルパラメータが、評価上重要な因子であるとの知見が得られた。今年度は、上記の2000年レポートに示した検討結果を支援するため補足解析を行い、耐震安定性に関する総合的評価を行った。(3)防災研との共同研究取りまとめに対する補足検討 平成4年度から進められてきた人工バリアシステムの耐震安定性評価に関する共同研究は、今年度を目処に成果を取りまとめることとなっている。本研究では、実測されたデータとの比較を通じて、解析コードの検証作業を段階的に進めてきた。本検討では、最新版の解析コードを用いた一連の実験データ解析を改めて行い、上記共同研究の取りまとめに資するデータ整備を行った。
高橋 知之; 本間 俊充
保健物理, 34(4), p.365 - 374, 1999/12
原子炉事故時における長期的被ばく線量評価において重要な、地表面に存在するCsからの外部被ばく線量評価モデルについて、モデル及びパラメータの妥当性検証を実施した。本解析には、チェルノブイル原子力発電所近傍の表層土壌中Cs濃度のモニタリングデータを使用した。土壌中への核種の浸透を考慮したモデルとの比較により、現在一般的に用いられている表層からの核種の除去を2成分で表現したモデルが妥当であり、移行が速い成分の割合が最も重要なパラメータであることを示した。また、本解析領域においては、移行が速い成分の割合は0.09から0.69程度であり、核種の浸透による積算線量の減少の効果は減少を考慮しない場合の30%から90%程度であることを明らかにした。
高橋 知之
KURRI-KR-18, p.213 - 220, 1997/00
環境汚染データの解析を行うことにより、原子力施設の安全評価に用いる環境影響評価モデル及びパラメータの妥当性検証を実施するとの観点から、ウクライナ国CHeSCIRとの協力研究を継続して実施している。本報では、チェルノブイル原子力発電所近傍において1993年及び1994年に測定された表層土壌中放射性核種濃度モニタリングデータを用い、放射性核種の分布と動態に関する解析を実施した結果を報告する。1-コンパートメントモデルを用いて、表層土壌から深部土壌への核種移行係数の解析を行った結果、核種移行係数は3核種で明確に異なり、Srが最も大きく、次いで+Pu,Csの順となること等が明らかとなった。
松鶴 秀夫
クロスオーバー研究シンポジウム,汚染物質の環境挙動予測に関する局地規模詳細モデルならびにその移行パラメータ, 0, p.125 - 133, 1995/00
原子力施設に係る環境影響評価手法に用いられている大気モデル、水系モデル、地層モデルおよび生態圏モデルは、国の安全審査のレベルでは既に確立されている。しかし、原子力基礎技術総合的研究(クロスオーバー研究)においても取り上げられているように、上記移行モデルの詳細化に向けて広範な研究が展開されている。ここでは、移行モデルの詳細化に関する技術的論点として、モデルを詳細化することの意義、モデルとパラメータ、詳細モデルの妥当性検証など取り上げ、原研における研究成果に基づいて論述する。
本間 俊充; 外川 織彦; 高橋 知之
BIOMOVS: Proc. of Symp. on the Validity of Environmental Transfer Models, p.447 - 455, 1991/00
ソ連チェルノブイル事故に起因して、昭和61年に収穫されたわが国の小麦中のCsの濃度は、前年度に収穫された小麦に比べ約100倍に増加していた。より汚染のひどかった欧州のデータと比較しても比較的高い値を示している。これはチェルノブイル事故によりもたらされたCsが降下した時期(5月上旬)が小麦の出穂期と重なり穂部へ直接付着・吸収されたためと推定される。Aarkrogにより提案された時間依存の穀物へのCs取り込み係数を用いた環境動態モデルを適用して、モデル予測の検証を行なった。モデル予測値と実測値の違いの原因を明らかにし、モデルの限界について議論する。合わせて、汚染の少なかった米へのCsの移行についてもモデル予測の検証を行う。
松鶴 秀夫
ニューフロンティア,地下空間, p.165 - 170, 1991/00
地下空間の利用の1つとして、高レベル放射性廃棄物の深地層処分を取り上げ、安全評価とその手法について概説した。特に、論点として(1)安全評価モデル、(2)評価用データ、(3)シナリオ選定/解析、(4)不確かさの定量化、(5)妥当性検証及び(6)品質管理について研究開発の現状を述べた。